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【ポリカーボネートの特性−低吸水率】
ポリカーボネートの特徴として吸水率が低いという性質があります。室温で湿度50%の空気中に放置した場合のポリカーボネートの吸水率は、0.2%未満、常温で水中に浸けて7日間放置した場合は最大で0.4%程度、さらに沸騰水に浸けても0.6%に満たないレベルです。この原因はポリカーボネート分子は疎水性のベンゼン環やエステル基で構成されており、水を吸収しやすいアミド基が含まれておらず、分子鎖の末端部分を除いて水酸基も含まれていないからです。ポリカーボネートは吸水率が低いゆえ水に濡れても重量が増加したり形状が変化することがない、機械的に安定した材料なのです。そのためポリカーボネートは旅客機や新幹線の窓、さらには一部の戦闘機のキャノピーにも用いられています。透光材料以外にもポリカーボネートは機械部品として利用されており、スベリ軸受の部品にも使用されています。スベリ軸受は軸受内径と軸の間に常に僅かな隙間を設けておかないと回転不良を起こしてしまいます。もしも軸受けを構成する部品が水を吸収してしまうと隙間がふさがってしまい、滑らかに回転しなくなってしまいます。このため耐熱性や機械的強度が高く、さらに吸水率が低くて形状が安定しているポリカーボネートが軸受けの部品に用いられているのです。ポリカーボネートは吸水率が低くて形状や重量が安定しているため透光材料として窓や採光天井などの他に、エンジニアリングプラスチックとして機械部品の材料としても利用されています。